リーガルのプレーントゥ「04NR」を購入し、約2年履き込みましたのでレビューします。定番の「2504」のリニューアル版とも言えるデザインで、履き心地も使い勝手も良く、満足できる革靴です。
購入の経緯
私が革靴についてまだ詳しくなかった2017年秋、革靴を買い換えることになり、長く履ける本格的な革靴を買おうと予算を30,000円程度に設定。
いくつかのお店を巡り、リーガルシューズの店舗に立ち寄った際に出会ったのが「04NR」です。
店頭に並ぶ靴を眺めて、デザインは外羽根プレーントゥに絞り、「2504NA」と「04NR」を履き比べて、「04NR」を購入しました。
定番「2504NA」との比較
約50年前から販売されているリーガルの定番「2504NA」は、外羽根プレーントゥのデザイン。
コバ周りはストームウェルトですが、シングル巻きでややスッキリした印象です。甲革にはガラスレザーが使われています。
一方、今回購入した「04NR」は、2017年に発売が開始された比較的新しいモデル。
外羽根プレーントゥのデザインにストームウェルトという点は「2504NA」と同じですが、かかと部分までウェルトがぐるっと一周するダブル巻きで、やや武骨な印象もあります。甲革は、カーフに次ぐ品質とされるキップレザーです。
店頭で履き比べたところ「2504NA」は革が硬く、「04NR」の方が柔らかい印象でした。ガラスレザーとキップレザーの違いが出ていると思います。
また、試し履きした店頭のカーペットの上では、「2504NA」は滑りやすく、「04NR」はグリップが効く印象がありました。
ソールの素材はともに合成ゴムですが、「2504NA」のソールはレザーソールのようにツルツルで滑り止めがありません。
一方で「04NR」のソールは「Hybrid Rubber Ⅱ」が採用されています。前足部にはタコの吸盤のような突起が並んでおり、これがグリップ力を発揮します。
当時の私は革靴に履き慣れておらず、本格的な革靴を購入するのも初めてだったので、実際に履き比べて比較的柔らかい履き心地でグリップ力もある「04NR」を購入することにしました。
仕様
リーガル公式サイトに掲載されている仕様と紹介文です。
型番 | 04NRBH |
---|---|
甲革 | 牛革 |
表底 | 合成底(ゴム) |
踵 | 合成ゴム |
製法 | グッドイヤーウエルト式 |
修理 | オールソール&ヒール |
ウィズ(足囲) | EE |
原産国 | 日本製 |
サイズ | 23.5〜27.0cm |
カラー | ブラック ダークブラウン |
価格 (2019/12/01時点) |
30,800円(税込) |
ソフトな甲革で屈曲時の足へのストレスが少なく、アウトソールは耐滑性と屈曲性に優れるハイブリッドラバーで、快適な歩行をサポートします。
甲革の種類や説明文をもう少し詳細に書いてもらわないと、靴の良さが伝わらない印象があります…
サイズ感
私が普段履いているスニーカーは27.5cmでしたが、革靴は数値上それより小さくなり、さらにリーガルは大きめに作られているようで、サイズを合わせた結果25.0cmを購入することになりました。
リーガルの革靴を初めて購入される際、特に本格的な革靴が初めての方は、数値の先入観を捨ててサイズ合わせを行った方が良いと思います。
また、グッドイヤーウェルト式で作られた革靴は、履き込むこと中底が沈み込んで緩くなるので、新品購入の際は少しキツイぐらいにフィットしたサイズにした方が良いでしょう。
他の革靴と比べても、この「04NR」は沈み込みが大きめに感じますので、履き込むことでサイズ感はだいぶ変わります。
実際、私も購入時は店員さんのアドバイスを聞きつつ、キツめのサイズだと思いながら購入しましたが、今ではジャストか少し緩いぐらいになっています。
履き心地
履き慣れるまでは大変でした…
履き始めは痛い
まず、しっかり紐を締めて結ぶと、足の甲の部分が痛い。靴のベロ・シュータンの革がまだ硬く、押さえつけられることによる痛みです。
逆に紐を緩めに結ぶと、足の甲の痛みは和らぎますが、足全体が前に突っ込みやすくなるため、小指が当たり痛くなります。
後々わかったことなのですが、私の足のウィズ(足囲)は細めの【D】なので、【EE】の「04NR」では幅が緩かったのです。
できるだけしっかり紐を締めたいところですが、履き慣れるまでは痛みが出る度に紐の結び加減を調整して、週に1〜2回程度のペースで履き込んでいきました。
1年ほど経って快適に
1年近く経つと、足の甲の痛みが出ることは少なくなり、紐をしっかり締めることができるようになりました。
指先は高さ方向にゆとりがあって楽ですが、紐を締めると足の甲とかかとでしっかり固定できるので、脱げるような感覚もなく、しっかり足と一体になってついてくるようになりました。
日本では靴を脱ぎ履きする機会も多く、仕事では素早く脱ぎ履きすることが求められ、悠長に紐を結んでいる暇はない場面もあります。そんな時は、予め紐を緩めに結んでおけば、紐を解かずに脱ぎ履きすることも可能です。
ソールが良い
ソールの「Hybrid Rubber Ⅱ」は比較的硬い合成ゴムで出来ていて、アスファルトやタイルなどの硬い路面ではコツコツと小気味良い音を立てます。高級感のある靴を履いている気分にさせてくれるのが良いポイント。
また屈曲性が良く、柔らかくてストレスがありません。レザーソールより全然楽です。
滑りにくさも特筆すべき点で、雨はもちろん、少々の雪でも大丈夫でした。タコの吸盤のような突起が雪を捉えてくれるので、路面が凍っていなければ大丈夫でしょう。
お手入れ
普段のお手入れは、履く度に馬毛ブラシでブラッシング。履いたその日に付いた埃を取り除きます。軽く擦ったぐらいの跡もブラッシングで消えます。
一晩置いて靴の中の湿気を乾燥させてから、シューツリーを入れて形状を保持して次に履くまで保管します。
1〜2ヶ月に1回程度はクリームを使ったシューケア。
リーガルシューズの店頭で買ったお手入れセットに入っていた、クリーナーで汚れを落とし、クリームを塗って豚毛ブラシでのブラッシングで仕上げます。革質はそこそこ良いので、しっかりツヤがでます。
しっかりと革に油分が含まれて、クリームで表面をコーティングする状態を保っていれば、多少の雨は大丈夫です。しかし、水滴が付いたまま放置していると白くなってしまうことがあるので、早めに拭き取ってあげましょう。
エイジング
1年半ほど履いた「04NR」がこちら。
履き皺は左右非対称に入ってしまいました。右足の方(写真左側)は、履き皺の部分に血筋があったような感じです。
キップレザーの表面は綺麗で、全体的にツヤも良い感じに出ますが、履き皺に関しては当たり外れがありそうです。
ヒールは少し削れていますが、まだ交換しなくても大丈夫な感じ。1年半ほど履いていることを考えると、かなり長持ちしそうな雰囲気です。
新定番プレーントゥに決定!
「04NR」のデザインは「2504NA」とよく似た外羽根プレーントゥですが、ガラスレザーからキップレザーへ、ツルッとした合成ゴム底から「Hybrid Rubber Ⅱ」へ変更され、全体的にアップグレード。
ガラスレザーを避けていた方には革の魅力が増し、革靴初心者の方にも履きやすいモデルとなっています。正に、新定番プレーントゥと言って過言はないのではないでしょうか。
外羽根プレーントゥのデザインは、スーツスタイルだけでなく、足元を革靴でまとめるカジュアルスタイルまで対応できるコーディネートの幅広さも魅力。
「2504NA」でリーガルを知った方には、是非「04NR」も検討してもらえればと思います。