トレーディングポスト・オリジナルのサイドゴアブーツを購入し、約1年履き込みましたのでレビューします。チャールズ・F・ステッド社のスーパーバックを使用した上質なスエードのサイドゴアブーツです。
スエードのサイドゴアブーツ
スーツスタイルで冬の寒い日や雨用に履ける上品なサイドゴアブーツを探していたところ、トレーディングポストでスエードのサイドゴアブーツを見つけました。
「Trading Post ORIGINAL サイドゴアブーツ – Trading Post」より
2016年頃から登場したラスト66を採用した、型番1608のサイドゴアブーツです。カーフにレザーソールのモデルと、スエードにラバーソールがあり、今回はスエードのモデルに目をつけました。
スエードモデルの仕様
「スエード・サイドゴアブーツ入荷 – Trading Post」より
品番 | 1608 |
ラスト | 66 |
甲革 | チャールズ・F・ステッド社 スーパーバック |
色 | Black or Cafe |
底材 | Viblam #2055 Eton Sole |
製法 | グッドイヤーウェルト製法 |
価格 | 52,800円(税込) |
サイズ感
私の革靴のサイズは、センチメートル表記では25.5cm、インチ表記では7.5となることが多いです。トレーディングポストの店舗で試し履きする際も、まずは7.5を試しました。
7.5ではやや窮屈な印象でしたが、履き込んで馴染めば問題ないかとも思う程度。しかし、店員さんに確認していただいたところ、ボールガース(足の親指の付け根と、小指の付け根を結ぶ周囲。)の位置が少し合っていないようだったので、ハーフサイズ上げて8にすることにしました。
残念ながらサイズ8のサイドゴアブーツが品切れだったので、同じラストのクォーターブローグのモデルでサイズ合わせを行うことに。
8では足長はピッタリ。ウィズ(足幅)は若干ゆとりがある感じでしたが、これは私の足幅がC〜Dと細めなので致し方ないところ。サイズ8で問題ないと判断してサイドゴアブーツを取り寄せてもらいました。
既製品でウィズがC〜Dの革靴はなかなかないので、あとは靴下の厚さで合わせます。
購入&開封
購入を決めて取り寄せをお願いしてから数日後、店舗に商品が届いたので引き取りに行きました。
トレーディングポストのイメージカラーである、グリーンとゴールドのショッピングバッグに入れてもらえました。
箱の蓋もグリーンとゴールド。
商品名はCTP1608002、カラーはブラック、サイズは8です。
箱を開けるとグレーの紙に靴が包まれています。
グレーの紙をめくるとサイドゴアブーツが現れました。
外観
カラーはブラックですが、スエードなので光の加減によっては少しグレーっぽい印象。
革のつなぎ目がサイドゴアのゴムの下にありますが、目立たないように処理されています。履き口のかかと側には、履く時に便利なプルストラップがつけられています。
つま先は低く、足首にかけての中腹あたりは鼻筋が通ったような盛り上がりがあります。ラスト66の特徴でしょうか。
バックステイは棒市のタイプで上から下までまっすぐにつけられています。
新品の時は履き口が狭めなので、少しつま先を外側に向けてからねじ込むように履くと履きやすかったです。
半敷はブラックカラーに金色ロゴで高級感があります。
アウトソールは、いわゆる「ダイナイトソール」タイプの「Vibram #2055 イートンソール」です。
履き心地
新品の状態では履き口が狭めなので、履き口の後ろについているプルストラップを引っ張って履き口を広げ、つま先を入れます。つま先が入ればスルッと踵まで入るので、革靴としてもブーツとしても脱ぎ履きの手間が少なくて楽です。
甲革はスエードなので初めから柔らかく、本格的な革靴にありがちな履き初めの苦痛は全くありませんでした。
初めの硬さが感じられるとしたら靴底の方です。中底は革なので、ある程度履き慣らすまでは、極端に言うと「板の上に乗っている」ような感触。と言ってもスニーカーのような柔らかいインソールと比べての話なので、本格的な革靴に履き慣れている方なら気にならないレベルかと思います。
アウトソールは、ラバーソールの「Viblam #2055 Eton Sole」が採用されています。見た感じでは硬くて滑りそうな印象があったのですが、実際に履いて歩いてみると、見た目以上にグリップが効く履き心地で、雨の日のタイルなどの上でも滑ることなく歩けます。
私はこのサイドゴアブーツを「寒い日と雨の日用」として買ったので、雨で濡れた路面を心配なく歩けることに満足しています。また、しっかりとお手入れしていればスエードは雨を弾くので、まさに雨用にピッタリでした。
サイドゴアブーツは履くと足首まで包まれるので、寒い日は寒さ対策になりますし、雨の日は靴の中に雨が入ってくることもないので安心です。
お手入れ
このサイドゴアブーツの甲革には、チャールズ・F・ステッド社のスーパーバックが採用されています。毛足が短めのスエードです。
履く前のお手入れとしては、防水性能のあるスプレーを掛けました。
M.モゥブレィの「スエードカラーフレッシュ」を使用しています。
防水スプレーを掛けておけば、雨の日でも水を弾いてほとんど染みることはないので安心です。
履く頻度にもよりますが、スプレーをかけるのは2〜3ヶ月に1回程度で良さそうです。雨を弾きにくくなったり、白っぽくなったらスプレーを掛けます。
その他のお手入れは、基本のブラッシングのみ。
スエードは毛足があり、スムースレザーの革靴と比べるとホコリが付着しやすかったり、雨の日に履くので砂や泥がハネて付くこともあるので、履く前と履いた後に軽くブラッシングして、ホコリや砂などを落とすようにします。
スエード用のブラシというと真鍮ブラシを思い浮かべる方もいるかもしれませんが、チャールズ・F・ステッド社のスーパーバックは毛足が短いので、真鍮ブラシまでは必要ないかなと思い、硬めの豚毛ブラシを使っています。
スムースレザーの革靴のようにクリームを塗る必要はなく、お手入れは短時間で済むので楽です。
評価
チャールズ・F・ステッド社のスーパーバックを使用し、日本製でグッドイヤーウェルト製法のブーツですが、シンプルな形状ゆえに似たようなタイプのサイドゴアブーツは他社からもう少し安い価格でも販売されているので、税込みで5万円オーバーという価格はやや高い印象があります。
しかし、作りは良く履き心地も良いので、履いたときの満足感は高いです。
コーディネートはスーツスタイルだけでなく、ジーンズにも合うので、カジュアルスタイルに少し大人っぽさを取り入れたい時にも履けます。
セール対象になると3万円台まで下がることがあるようなので、その時が狙い目かもしれません。
ほぼ同じ製法・価格帯なら、英国製のサンダースのサイドゴアブーツなども候補となります。