これから就活を行う方や、就職が決まり新入社員・新社会人としてサラリーマンになるあなたに、革靴の選び方をご紹介します。選ぶべきデザイン、避けたほうが良い色、雨用におすすめの革靴や、お手入れ方法をまとめました。
就活・新社会人の革靴選び
就活の場合は、服装はリクルートスーツを着る就活生が多くあまり差が付きませんが、靴の良し悪しや手入れなどの状態は意外と目に付きます。
新社会人として入社する場合、あなたは会社の中で最も下の立場からのスタートとなります。
就活・新社会人のどちらの場合も、信頼を得られるように真面目な印象のある革靴を選ぶのが良いでしょう。
また、会社によって「どこまでキッチリしないといけないか」「どこまでカジュアルでもOKか」の線引が異なります。入社した会社のOKラインを把握するまでは、悪目立ちしない革靴を選ぶのが無難です。
デザインは黒の内羽根ストレートチップ
革靴の中で、最もフォーマルなデザインが「黒の内羽根(うちばね)ストレートチップ」です。
就活や入社式・冠婚葬祭などの式典、大事なプレゼンなど、キッチリしたい場面では「黒の内羽根ストレートチップ」が活躍します。
20代中頃になると結婚する友人も増えてきますので、結婚式にも履いていける「黒の内羽根ストレートチップ」は社会人なら持っておくべき一足。冠婚葬祭や仕事の大事な場面で履くことを考えると、良い靴を持っておきたいところです。
デパートなどで購入する際には、店員さんに「黒の内羽根(うちばね)ストレートチップで足に合うものを探しています。」と伝えるとOKです。
リーガル 01RRBG
リーガルの「01RRBG」は、グッドイヤーウエルト式製法の頑丈な作り。履き初めは硬さを感じますが、履き込むことで足に馴染むフィット感が得られます。
靴底は一見ツルッとしていますが、ラバーなので雨でも安心。
ヒール交換や靴底全体の張替えも可能で、お手入れや修理をきちんと行えば永く履くことができます。
スコッチグレイン
足幅が狭めの方であれば、スコッチグレインも定番ブランドでオススメ。
足囲を示す「ウィズ」は【E】と細めで、ロングノーズラウンドトゥのスタイリッシュなデザイン。アッパーには国産カーフが使用されており、革質の良さを感じられます。
靴底はレザーソールで、フォーマルな場面に適しています。
ケンフォード KN72AC5
もう少し安い革靴をお求めであれば、リーガルの弟分にあたるケンフォードの「KN72AC5」は1万円台前半の価格です。幅広のウィズEEEで、非常にゆったりとした足入れ感です。
茶色は避けた方が無難
「黒では個性がなさすぎる」「茶色の革がカッコいい」と思う気持ちも分かりますが、茶色の靴は黒と比べてカジュアルな印象になります。
「茶色の靴はNG」という会社は多くはないと思いますが、就活や入社したての頃は茶色の靴は避けた方が無難です。
入社後に周りの社員の方の靴を見たり、会社の雰囲気を把握して、茶色の靴も大丈夫そうであれば取り入れる、という流れが良いでしょう。
将来的には、セミブローグと呼ばれるデザインも履きこなせるとカッコいいですね。
毎日履くなら3足は揃えたい
1日中靴を履いていると、靴の中には足から出た汗などの湿気がたまります。湿気が溜まったままで翌日も同じ靴を履くことを繰り返していると、嫌なニオイやカビが発生する原因となります。
靴を1日履いたら最低でも1日は休ませて、湿気をしっかりと取り除くことが望ましいです。
靴を休ませて湿気を取り除くことで、嫌なニオイやカビが発生することを防ぎ、靴が長持ちします。
2日おきに履くなら、靴は3足は必要になります。
1日おきに履くなら2足でもローテーションできますが、雨に濡れた際に乾かしたり、ヒールが擦り減った時に修理に出すことも考えると、3足あった方が安心です。
2足目、3足目には、プレーントゥやパンチドキャップトゥと呼ばれるデザインが良いでしょう。
雨用の革靴
社会人になると、大雨の日でも必要あらば仕事に行かなければなりません。就職活動でも雨に当たる場合があります。雨の日に履く革靴も用意しておくと良いでしょう。
雨用には、撥水加工の革で作られた革靴や、革靴のように見えるポリ塩化ビニル製の靴があります。靴底はもちろんラバーソールで、雨の日に滑りにくい靴が良いです。
リーガル 01TRCE
リーガルの「01TRCE」は、ゴアテックス素材が採用された雨でも安心の革靴です。
UNITED ARROWS green label relaxing KW RAIN ST-TIP 2
一見は普通のストレートチップの革靴のように見える、UNITED ARROWS green label relaxingの「KW RAIN ST-TIP 2」は、ポリ塩化ビニル製のレインシューズ。
大雨でも革靴を履かないといけない職種の方であれば、このようなレインシューズがあると安心です。
サイズの選び方
スニーカーのサイズ選びでは、よく「指1本が入るぐらい」と言われますが、本格的な革靴の場合は、指が入る余裕がないぐらいピッタリのサイズを選んだ方が良いケースが多いです。
なぜかというと、本格的な革靴(グッドイヤーウェルト製法)は中底にコルクが詰められており、履き込むことで足の形に合わせて沈みます。足の形に合うことで履き心地の良い靴になっていくのですが、新品の時と比べると、中底が沈み込むためサイズに余裕が生まれます。甲革が多少伸びることもあります。
この余裕が生まれることを想定して、試し履きではピッタリなサイズか、少しキツく感じるぐらいのサイズを選ぶことをオススメします。
一例として、私が購入したリーガルの「04NR」というモデルは、中底の沈み込みが大きく、キツく感じるサイズ感で購入して、今では緩いぐらいになっています。
どのくらいの沈み込みがあるかは、メーカーやモデルによって異なるので、商品知識の豊富な店員さんに確認するか、ネットのレビュー記事などを参考にすると良いでしょう。
お手入れの基本はブラッシング
革靴は、定期的にお手入れを行うことで長持ちさせることができ、経年変化でより魅力的な革靴になります。
普段のお手入れは、履く度に馬毛ブラシでブラッシング。履いたその日に付いた埃を取り除きます。軽く擦ったぐらいの跡もブラッシングで消えます。
一晩置いて靴の中の湿気を乾燥させてから、シューツリーを入れて形状を保持して次に履くまで保管します。
1〜2ヶ月に1回程度はクリームを使ったシューケア。クリーナーで汚れを落とし、クリームを塗って、豚毛ブラシでのブラッシングと布を使った乾拭きで仕上げます。
初めてであれば、お手入れセットを購入するとお手入れ用品が一式揃います。ただし、シューツリーだけは別途購入してください。
用具を揃えたり自分でお手入れをするのが面倒であれば、靴の修理屋さんや靴磨き専門店でお手入れしてもらってもOK。だいたい1,000円ぐらいでプロに基本的なお手入れをしてもらえます。
しっかりお手入れをすることで、ツヤが出て魅力的な革靴に育っていきます。
革靴を履く際に気をつけること
日頃の革靴の取り扱いにも気をつけるポイントがあります。
脱ぎ履きの際は靴紐をほどく
スニーカーでは、紐を締めたまま靴を脱いだり履いたりする人が多いと思いますが、革靴は脱ぎ履きの際、紐をほどきましょう。
紐を締めたまま脱ぎ履きすると、靴の形が崩れる要因となります。
脱ぐ時は手で靴を持って脱ぐ
靴を脱ぐ時に、靴同士を摺り合わせるようにして脱ぐ人も多いですが、靴同士を摺り合わせるのはキズがつく要因です。
靴の同じところばかりが擦れて、見窄らしい状態になります。
靴を脱ぐ時は、靴のかかとあたりを手で持って引っ張って脱ぎましょう。
かかとを引き摺らないように歩く
革靴を履いて歩く際には、かかとを引き摺らないように歩きましょう。靴のヒール部分の消耗を抑えることができます。
ついでに歩き方全体も見直して、スーツに革靴でカッコよくあるきましょう。
良い革靴は修理して永く履こう
2万円以上するような本格的な革靴であれば、ヒール交換や靴底全体の張替えも可能で、必要に応じて修理することで、5年10年と永く履くことができます。
靴底が擦り減ったからと言って捨てずに、履き慣れた靴は修理して永く履きましょう。
修理価格の相場は、かかとが擦り減った時の修理なら3,000円前後、靴底全体の張替えなら10,000円〜15,000円程度になります。
革靴を履きこなせる社会人を目指そう
街中のスーツ姿の人の足元を見てみると、手入れされた綺麗な革靴を履いている人と、見窄らしい状態の革靴を履いている人がいます。
「足元を見る」という言葉があるように、靴は履く人のステータスとして見られる場合があります。
良い革靴を綺麗にお手入れして履いていると、良い革靴を買えるだけしっかりと仕事をして稼ぎ、きちんとお手入れまでしている人という印象になります。
逆に、安っぽい靴を手入れせずに履いていると、それだけテキトーな人という印象になります。
靴でマイナスの印象を与えないように、しっかりと革靴を履きこなせる社会人を目指しましょう。